2006/01/05

新しい年は涙から始まったりする

新政府軍の思いもかけぬ強襲により敗走を余儀なくされた新選組の面々は出会うべくして出会った箱館奉行の永井尚志(佐藤B作)によって副長の土方歳三(山本耕史)が敵の銃弾に倒れたことを教えられる。それを認めたくない島田魁(照英)らは土方の元へ駆けつけ、ならば共に死のうとまでするが、永井はそれを止めて言う。「生きるんだ。生きて新選組を否定した奴らがどんな国をつくるのか見届けるのだ」と。

このときわたしの円らな瞳は涙に濡れていった。熱く濡れないわけにはいかなかったのだ。
そのわけはというと、裏で古畑ファイナルをやっていることをそのとき思いだした、からではなく(あっちは録画してるので後で見ることにしました。三谷ファンは忙しい!)、放映はもう一昨年のことになる『新選組!』を見ていたとき「前半はともかく後半のあの暗さはなんだ。血生臭い内部抗争でしかないじゃないか」と批判していた自分を思いだしたからだ。

そのときは三谷さんがなぜあんな物語を書いたのか理解できなかったのだけど、その理由が今回この永井のセリフを聞いてハッとわかった気がしたのだ。つまり、三谷さんは、現代日本のあり方というかそんなものに批判的なのではないか、と。少なくとも批判したい気持ちの一端を『新選組!』に託していたのじゃないか。

なんでそうなるの、とはわたしがわたしに言ってやりたいのだが(ほんとなんでそう思ったのだろう?)、その論理回路の究明は今は置いておく。ともかくそう閃いた途端にお熱いのがどっと出てきたのであった。2年越しにわたる三谷さんの骨太い思いをそこに垣間見た気がしたからかなあ・・・。


謹賀新年
2006年がみなさまにとりまして良い年でありますように
今年もよろしくお願いします