2006/01/18

美貌の横顔

毎年1月には大相撲初場所が東京は両国国技館で開催されている。NHKがその模様を中継しているので楽しみに御覧になっている方も多いだろう。

特に昨年はただひとりの横綱・朝青龍が数々の記録、7場所連続優勝、年間6場所全優勝、年間最多勝(84勝)、を成し遂げその強さにさらに輝きを加え、11月の九州場所では美貌の関取琴欧州が史上最速19場所での大関昇進を果たした年だったのだから、それに続く今年の初場所にはいつにもまして注目が集まろうというものだ。ミーハーなわたしがその例に漏れるはずがないのは言うまでもない。

といってもわたしは大相撲中継を生で見ることはあまりない。そのかわりNHKが夜更けにやっている「大相撲 幕内の全取組」を見る。放映時間24分のダイジェスト版だがテンポが良く結構集中して見ることができる。タイトルも知らないけど最後に流れる音楽まで気に入っている。

昨日はその十日目だった。
ダイジェストのダイジェストをお送りしよう。

ひとり全勝を続けていた平幕の北勝力(東前頭11枚目)は時津海(西前頭14枚目)に寄り切りで負けた。その最初の立合いで時津海は待ったをした。そのとき北勝力はすごくいいタイミングで立っていたように思ったのはそしてその時点で勝敗が喫したように感じたのはわたしだけだろうか。案の定、次の立合いで北勝力はなにかの定めに従うかのように力なく俵を割った。時津海はこれで勝ち越しを決めて8勝2敗。優勝争いに絡んできた。時津海の待ったが作戦だとしたら、その行為をどう判断すべきだろう。

腕っぷしの凄さが際だつ露鵬(東前頭2枚目)が小兵で人気の安馬(東前頭6枚目)にその腕を決められ寄り切られたのは案外だった。このあたりが安馬の、それに露鵬の面目なのだろう。

白鵬(西関脇)と雅山(東前頭筆頭)の一番、ふたりがぶつかった直後、白鵬は左腕を伸ばし左脚を踏ん張り、倒れんばかりの姿勢になりながら雅山の前ミツを取ろうとする。頭を下げ雅山の前ミツを取ることだけに集中する。そして音が聞こえてきそうなほどの強固さで前ミツを取った。勝負に勝つことなんかより、目の前の前ミツを取る、それが相撲なのだ。オレの相撲なのだ。だからなにがなんでも取る。前ミツを取る。そんな白鵬の強い意志が目に見える気がした。結果は下手投げで白鵬の勝ち。白鵬はクレバーな力士だなあ。作戦とはこうでなくちゃいけないだろう。

次は目当ての琴欧州(西大関)の出番だ。勝負は早かった。立合い直後、春日錦(西前頭5枚目)の右まわしをつかみ頭をつけるとそのまま寄り切った。まわしをつかんだらもうなにもさせやしない。つかんだまわしをさらにぐいぐい引き絞るようにして前に出る。春日錦はのたうつように首を振りながら後退するしかなかった。前日と同じ万全の取組。琴欧州もこれで8勝2敗。調子が出てきたよ。

勝負を決めて礼のため自分の仕切りに帰る際の琴欧州の表情がわたしの印象に残った。

いい相撲が取れた。これでいい。
大関になって初めての場所で勝ち越すことができた。ああ、良かった。
しかし本当の勝負はこれからだ。そう、これからだ。

そんな意味のブルガリア語がわき水のような静かさで彼の脳内を巡っていたのじゃないかしら。そんなリアルな横顔が琴欧州の大きな魅力のひとつなのだ。

結び前の一番で栃東(東大関)が土俵際危なくも1敗を守った。取組のすぐ後、太ももの後ろに痛みが走ったらしいけどもう大丈夫らしい。

結びは朝青龍(東横綱)に琴光喜(東関脇)。横綱はまわしが取れなくて少うし泡食ってたけど素早い動きで絶えず状況をリードすることで落ち着きを取り戻し、最後は見事なすくい投げで琴光喜をひっくり返してみせた。なんだか両者の身体のまわりを流れている時間の速さが違うような感じだった。勝った直後の横綱の表情と仕草が勝負の一部始終を語っていた。

というわけで十日目の時点で全勝がいなくなり、
1敗が朝青龍、栃東、北勝力の3人。
2敗が琴欧州、白鳳、時津海、それに広島出身・北桜の4人。

やっぱり朝青龍と琴欧州が優勝を争うのかなあ。
(北桜〜!)

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