2006/01/13

チョロQ+2X

2006年1月12日 木曜日
広島M店 換金43個 全台無制限 1箱のみ持ち玉移動可

再び意識を取り戻したのは朝の8時18分だった。少し頭を上げると時計が見えたのだ。とはいえそれも一瞬のことで、上げていた頭が枕に沈むとまたもや意識は薄れてゆく。これはいかんと半身を4分の1だけもたげたのはとくダネをつけるためで・・・その後なにかとの格闘が数十分続く。いつも通り。

なので開店して1時間後に入店。しおらしく端から台を見てまわる。

サミーチョロQ+2Xは面白い。その理由は単純にして明快。当たりが目に見えるからだ。

今日はそのチョロQのあるシマがイベントコーナー。背中のテレサテンで迷いを吹っ切ってすりすりとチョロQを見て歩く。角から2番目がスルー開けてある。打ち始めるとサブデジがすぐに全灯。ほらね、とほくそ笑むよりも早く、デジタル当たりより先にハネモノ当たりを引く。役物に入った玉数にして4個めのこと。右隣の先客が首を振っている。気がつくまでもなく、10台あるチョロQのうち稼働しているのはそのおじさんとわたしの台だけだった。おじさんの台の大当たりメモリはそのとき3の数字を表示していたが、意外なほど多くの持ち玉を箱に抱えていた。そのおじさんのすぐ隣に座ったわたしは、仕方ないけど、それほどいいやつではない。

渡り鳥が羽を休めるように、席について少しばかり遊んでゆく客もないではないが、チョロQのシマは昨年末以来すっかり客は飛んでいた。それを言えばこの店自体客が飛んでいるのだが、それにしてもチョロQはよく客が飛んでいた。だから隣のおじさんが2,3週間前にもチョロQを打っていたことを思い出すのに時間は要しなかった。リーチと思しきタイミングで台枠のpushボタンを必死に連打するので覚えていたのだ。

無理もないと言えば無理もない。この機種は3,7が出なければその醍醐味は味わえないからだ。3,7が出てハネモノチャンスに入る確率は約1/11に過ぎない。デジタル当たり11回に1回の割合だ。昨年初めてこの台を打った時、大当たり29回目にしてやっと7を引いたことを思い出す。あのときはもう夜の9時をまわっていたのじゃなかったか。

そして一度ハネモノチャンスを引くと、これが神経を使うこと夥しいものがある。夥しいという大袈裟な形容が決して大袈裟な形容ではなく、「おびただしい」というどこか禍々しくも魔界的な、それでいて少々滑稽な音の連なりこそがハネモノチャンスに臨むプレイヤー心理に相応しい、そのことは経験者ならでこそ然りと同意してもらえるのじゃないかしら。1時間もハネモノチャンスを味わえば、あなたもきっとわかってもらえると思う。

夥しい神経の使い道のひとつは役物内での玉の動きにある。奥のVに入るコースはふたつあって、ひとつは、左のタイヤを越えてさらにそのまま右のタイヤ奥を越えてVに入るコース。このコースがV入賞の大部分を占めるのだが、これがなかなか実現しない。見ていて玉が右タイヤ奥に吸いつくと軽く卒倒してしまうのがわかる。もうひとつのV入賞コースは、左タイヤに拾われた玉が右タイヤ奥にはくっつかなかったけど右タイヤ手前にくっついて、あるいは左タイヤを素通りした玉が右タイヤ手前にくっついて、なおかつ、なおかつ、5秒に1回のタイミングで降りてくるサジに拾われてVに入賞する、というほとんど信じ難いコース。ひぇ〜。そういった玉の動きの瞬間瞬間に合わせるように言葉にならない祈りが脳内をこだまするのだから大変だ。

さらにその役物V入賞はデジタル大当たりと競合しているのだからさあ大大変。デジタルが当たるとその次の瞬間トレーラーがやって来て大きな音と共に当たり図柄を置いてゆく。それでハネモノチャンスはジエンド。そのときのトレーラーを人呼んで悪魔のトレーラーという。その際のパーッっていう音は確かに恐ろしい。それは清水崇監督作品ぐらい評判のいいホラーだ。さらに通常は当たって欲しいデジタル当たりをそのときだけは当たらないようにと祈る自分をなんて現金だと思わないわけにはいかない。こっちも確かにホラーの種だね。

他には、スルーの入り、羽根への寄り、台の寝かせ、打ち出しの調整など、打ちながら気を遣うべきことは有り余るほどある。特に台の寝かせが悪いとコースの途中で玉がこぼれ落ちることがあるから始末が悪い。寝かせは見た目だけじゃまったくわからないからなおさらだ。

こう考えてみると、ハネモノチャンスの醍醐味って、喜びよりも苦しみの方が勝ってるような気がしてきたなあ。ふう。

そうこうするうちに隣のおじさんともども一箱ぐらいの玉が出たが、ふたりともまだ3,7を引けないでいる。わたしの台は数えてみるとどうも回りが良くないような気がしてきた。経験上このぐらいの玉はこのままではそう遅くない時間に飲まれてしまう。ようくわかっている。

昼を過ぎて隣のおじさんが出玉を飲まれてしまった。これまた意外に早いが、おじさんはずっと打ちっ放しだし、わたしの台よりも回っていないのだろう。5百円ボムを投下し始めた。止めるかと思いきや結構しぶとい。そういうわたしもハマリが200を超えて箱の底が見え始める。そのときわたしの台に7の単独リーチがかかった。もちろん今日初めての出来事だ。というか、今年初めての出来事でもある。3の単独はアテにならないが7の単独は激アツだ。チョロQ群も出た。隣のおじさんはこれまでになく身を乗り出してきてわたし以上に盤面に顔を近づける。このままノーマルリーチだと当たり確定なのだが・・・フラッグが振られてスーパーに発展する。わたしは妙に冷静な自分に気づいていた。それはわたしの顔面と台の画面の間に隣のおじさんの頭があったからなのか、それとも当たりはしないことを予感していたからなのか。

予感は当たり、単独7のウイリースピンリーチがハズれ、その直後の復活に薄い期待を寄せたが復活もならず、おじさんは頭を振りながらその頭をやっと引っ込めてくれた。それでなんだか一段落した気がして昼飯休憩を取った。

そばで腹を膨らませて帰ってみると隣のおじさんの姿はなかった。わずかに残っていた出玉もいつの間にかなくなり、再び現金投資を開始して2,3度当たったが3,7ではなかった。それもすっかり飲まれ、回りがどうも25前後で落ち着いているらしいので未練はあったがこれ以上打つ気をなくした。


【昨日の結果】
CRチョロQ+2X
19/16/1321(105)
出玉=0
収支=-10500